
1年ほど前から、そんな様子だった。
「自然のままで」という想いで、
そのままにしていたのだ。
だが、それは昨日のことだった。
遂にその患部から出血したのだ。
出血というより膿のようなモノが出たのだが。
遂に緊急事態に至ったということで、
今日、病院へ駆け込んだのだ。
医者は一目見た瞬間に診断を下してしまった。
「あ、こりゃ、間違いなく癌ですね」
「ずい分大きくなってますねぇ」
「もっと早く来ないと…」
どうやら、リンパもやられている可能性が大で、
どこかに転移していても、おかしくないという。
「どちらにしろ、延命治療になりますよ」
「幸い、体重があって食欲もありそうですから…」
そう言って医者は、ひと呼吸おいた。
「オペで取り除くのがいいでしょう」
僕はすぐに返事が出来なかった。
「ご家族でご相談してください」
そう医者に進言されて、僕は家に帰った。
そして、女房に相談をした。
がん告知をされたのは、この方だ。

我が家のお嬢「ビチ」さんである。
先ほど、携帯電話で撮影したものだ。
この姿からは判らないとは思うが、
おなかのところに大きな腫瘍が出来ているのだ。
要するに「乳がん」という訳だ。
癌細胞は、限りなく増殖していく。
そして大きな腫瘍になって、
皮膚が耐えられなくなって裂けてしまったのだ。
それで、出血したという訳だ。
ビチさんの様子は、至って普通で、すこぶる元気ある。
動物病院から帰ったビチさんは、えさ箱に走り寄り、
ガツガツとキャットフードを食べていた。
だが、癌と判った時点で、
人間側の対応が以前と違ってきている。
哀れみをもって接しているというか、
愛情をもって接しているというか、
そんな感じである。
子ども達にとっては相当ショックだったようで、
それまで急に抱き上げたり、意地悪していたのだが、
ピタリとしなくなった。
「いつまで生きるのかなぁ」と呟く長男や、
「ビチ、大丈夫か?」と声を掛ける次男に、
ちょっと愛おしさを感じた。
「大丈夫だよ、取った方がいいんだよ」
「その方が長生きするんだよ」
僕がそう説明すると、子ども達は納得していた。
「ただ、入院しなきゃいけないからね」と言うと、
子ども達は寂しそうな顔をした。
今までビチさんがいなくなったことはないので、
余計にそう感じるのだろう。
来週、もう一度診察してもらって、
オペの段取りを決めることになるだろう。
猫と言えども、立派な家族である。
大切にしてあげないといけないなぁと、
家族でそう思ったのであった。
「自然のままで」という想いで、
そのままにしていたのだ。
だが、それは昨日のことだった。
遂にその患部から出血したのだ。
出血というより膿のようなモノが出たのだが。
遂に緊急事態に至ったということで、
今日、病院へ駆け込んだのだ。
医者は一目見た瞬間に診断を下してしまった。
「あ、こりゃ、間違いなく癌ですね」
「ずい分大きくなってますねぇ」
「もっと早く来ないと…」
どうやら、リンパもやられている可能性が大で、
どこかに転移していても、おかしくないという。
「どちらにしろ、延命治療になりますよ」
「幸い、体重があって食欲もありそうですから…」
そう言って医者は、ひと呼吸おいた。
「オペで取り除くのがいいでしょう」
僕はすぐに返事が出来なかった。
「ご家族でご相談してください」
そう医者に進言されて、僕は家に帰った。
そして、女房に相談をした。
がん告知をされたのは、この方だ。

我が家のお嬢「ビチ」さんである。
先ほど、携帯電話で撮影したものだ。
この姿からは判らないとは思うが、
おなかのところに大きな腫瘍が出来ているのだ。
要するに「乳がん」という訳だ。
癌細胞は、限りなく増殖していく。
そして大きな腫瘍になって、
皮膚が耐えられなくなって裂けてしまったのだ。
それで、出血したという訳だ。
ビチさんの様子は、至って普通で、すこぶる元気ある。
動物病院から帰ったビチさんは、えさ箱に走り寄り、
ガツガツとキャットフードを食べていた。
だが、癌と判った時点で、
人間側の対応が以前と違ってきている。
哀れみをもって接しているというか、
愛情をもって接しているというか、
そんな感じである。
子ども達にとっては相当ショックだったようで、
それまで急に抱き上げたり、意地悪していたのだが、
ピタリとしなくなった。
「いつまで生きるのかなぁ」と呟く長男や、
「ビチ、大丈夫か?」と声を掛ける次男に、
ちょっと愛おしさを感じた。
「大丈夫だよ、取った方がいいんだよ」
「その方が長生きするんだよ」
僕がそう説明すると、子ども達は納得していた。
「ただ、入院しなきゃいけないからね」と言うと、
子ども達は寂しそうな顔をした。
今までビチさんがいなくなったことはないので、
余計にそう感じるのだろう。
来週、もう一度診察してもらって、
オペの段取りを決めることになるだろう。
猫と言えども、立派な家族である。
大切にしてあげないといけないなぁと、
家族でそう思ったのであった。
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